クルマのミニ知識

点検・整備

バッテリー上がり

【原因】
主な原因はヘッドライトやルームランプの消し忘れです。
エンジンを始動しない状態でヘッドラント、ルームランプ、オーディオ等をオンにしたまま車を長時間離れたりするとバッテリー内の電気を消費しバッテリーが上がってしまいます。
また長期間(2〜3ヶ月以上)車を使用していないと徐々にバッテリー内の電気を放電しバッテリーが上がることがあります。
(2年以上経過しているもしくは状態の悪いバッテリーの場合は1ヶ月程度で上がることもあります。)

【応急措置】
応急措置として『ジャンピング』という方法があります。

『ジャンピング』とは他の車のバッテリーを利用しエンジンを始動させることができます。
(使用可能なバッテリー単体のみとつないでエンジンを始動させることも可能です。)

【必要なもの】
1.救援車もしくは使用可能なバッテリー
※上がってしまった車の電圧(一般的には12V)と救護車の電圧が同じもの。

2.ブースターケーブル2本
※赤色のプラスケーブルと黒色のマイナスケーブルを用意。断線やケーブル外側の膜が劣化していないもの。

1の使用可能なバッテリーを常に車に乗せて備えるのは、重量やスペース的にも幅をとりリスクもあるので現実的ではないですが、2のブースターケーブルを車に乗せておけば、近くにいる車(救援車)の持ち主に了承を得て『ジャンピング』を行うことができます。

【準備】
1.安全性の確認、点検を行う。
2.電気を供給してくれる救援車もしくは使用可能なバッテリーとバッテリーの上がっている車をケーブルの届く位置に近づける。
3.両車両のエンジンを停止させてボンネット、エンジンルームを開ける。


【作業手順】
1.上がった車両バッテリーの赤色端子(プラス)と赤色ブースターケーブル(プラス)片側端子を取り付ける。

2.救援車両バッテリーの赤色端子(プラス)ともう片方の赤色ブースターケーブル(プラス)端子を取り付ける。

3.救援車車両バッテリーの黒色端子(マイナス)と黒色ブースターケーブル(マイナス)端子を取り付ける。

4.上がった車両バッテリーマイナス端子ではなく、エンジンの厚い金属部分(ボデー)などに取り付ける。
※つないだ際に火花が飛ぶので上がった車両バッテリーマイナス端子につなぐとバッテリーから気化した水素に引火し爆発の恐れがあります。

5.ガタ付きがないか確実に確認が出来たら、救援車のエンジンをかける。
※AT車はパーキング、MT車はニュートラルになっていることを確認してサイドブレーキを必ずかける。

6.アクセルを踏んで回転を少し高く保つ。

7.バッテリーの上がった車のスターターをエンジン始動します。

8.エンジンが始動したら、ケーブルはつないだ時とは逆の順番で取り外す。

【注意事項】
一時的に走行は可能ですが、バッテリーは放電した直後で十分な電力がいない為、エンジンを一度切ると再始動出来なくなるケースが大半です。
エンジンは絶対に切らないで、近くのディーラー、修理工場、ガソリンスタンド、カーショップなどに持込み、点検・充電・交換等を行いましょう。


また、近年ではハイブリッド車、電気自動車などが普及し、駆動用バッテリーと補機バッテリー(エンジン始動、電子機器始動に使用)の2つを搭載している車種があります。

ハイブリット車なども基本的には補機バッテリーが上がっているのであれば上記【作業手順】を行えば救援は可能とされています。
しかし、ハイブリット車の駆動用バッテリーは、ガソリン車とは仕様が異なる為、間違えて触れてしまうと電圧が高く非常に危険です。

ここまでバッテリー上がりの応急処置について記載してきましたが、最近はブースターケーブルを車に常備している人も少ないのではないでしょうか。
ガソリン車・ハイブリット車などの車種を問わず、バッテリーが上がった際はロードサービスなどに作業してもらうのが一番安全です。



担当:大泉

コラム

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