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自動車部品の素材

自動車が初めに造られた際、構成する大半を占める素材は「鉄」でした。
耐久性や強度、衝突等に耐えうる安全性やコストの面において、鉄が最も優れていたからです。
現在でもその原則は変わらず、多くの部品には鉄が使われています。

しかし、加工技術や製造技術の進展、流通事情の変化などにより、鉄に代わる素材が徐々に採用され始めました。
初めの大きな変化は1990年代から登場し始めた「アルミニウム」です。
外装や機関系を中心に置換が進み、今ではエンジンの一部にも採用されています。
ホイールをスチールからアルミに変えて軽量化、という案内を自動車カタログのオプションなどで見たことがある方もいるかもしれません。
更にアルミニウム以外にも、マグネシウムやチタンを基にした合金素材の利用も近年では積極的に行われています。

そして今では、金属の枠組みを越えた「樹脂」素材の開発や採用が進んでいます。
これまでも自動車の内装には防音等を目的として取り入れられることの多かった樹脂素材ですが、昨今では外装にも積極的に取り入れるメーカーが増えています。
中でも繊維に樹脂を含浸させたFRP(繊維強化プラスチック)と呼ばれる樹脂素材は近年特に開発が進められており、CFRP(炭素繊維強化樹脂)や、GFRP(ガラス繊維強化樹脂)といった素材の導入に関して素晴らしい進歩が見受けられます。
CFRPはコストの関係上市販車にはなかなか導入されてきませんでしたが、レース車両等には以前から導入が進められてきました。
カーボンと呼ばれる事も多いので、こちらの呼称の方が馴染みがあるかもしれません。

自動車における鉄系素材の使用率は、当初80%ほどでしたが、現在では約70%となっており、徐々に代替素材の採用は加速しています。

こういった鉄以外の素材を積極的に取り入れる目的の1つに「軽量化」が挙げられます。
近年の自動車はABSや自動ブレーキシステム等の安全装備が増え、かつパワーウィンドウやエアコン等の快適性向上のための搭載機器も増えたことにより、乗用車の車両重量は平均で400kg増加しているといわれています。
車両重量の増加は燃費の悪化や衝突事故の重大化等につながるため、軽量化は常に求められます。
弊社取扱車両にも樹脂素材等は多く取り入れられているため、こういった技術の発展がより進み、重大事故等の減少につながればと思います。

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担当:齊藤

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